息子を苦しめた催促の電話が無くなった見事なまでに

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“就職を機に故郷を離れた息子、大人しい性格の息子が都会で生活できるのか私達夫婦は気掛かりだった。
高校生の時の息子は自転車通学、オートバイに乗っている友達もいたのだが、息子は高校の校則に反することはしない真面目な性格でもあった。
車を乗るようになったのは、帰郷した時に私達夫婦をドライブに連れて行くため、そんな親思いな息子が夜中に電話を掛けてきた、お金を貸してくれと。
妻が「どうかしたの?」と尋ねると、息子は「仕事に使うお金を立て替えるのに必要」、私達夫婦は嘘と気付いたが、息子のために貯めておいた貯金から30万円を息子に送金。
それから2日後、「悪いけど、あと10万円だけ貸して」、10万円を振り込むと、その夜、「父ちゃん母ちゃんゴメンね」と電話があったため、私は息子がお世話になっている会社の上司に連絡をすると、「息子さんは2日前から無断欠勤をしています」。
その上司にお金のことを話すと、「やはりそうでしたか。会社のほうに良からぬ人から息子さんに何度も電話がありましたので」。
息子が事件に巻き込まれているのではと思い、翌朝、始発のバスに乗り息子が借りているアパートへ行くと、隣の部屋の人が「さっきまで、柄の悪そうな人がウロウロしてましたよ」。
息子に電話しても出ない、借りているアパート近くを探しても息子はいない、勤め先に行ってみると、同僚にお金の無心をしていた息子を発見。
私と妻に気付いた息子は、周囲に多くの人が見ているにもかかわらず号泣。
息子は、たちの悪い人間が運転する車に自分の車をぶつけてしまい、その際に「元通りに直します」と念書を一筆書かされ、そのことが息子を追い込んでいた。
業者さんがキレイに修理しても、塗装ムラができたなどイチャモンを付けられ何度もやり直し、修理に出している間はレンタカーを持って来いと言われ、息子がレンタカーを用意すると、「修理している車と「同じ車種のレンタカーを持って来い」、高級外車のため1週間借りるだけでも20万円以上掛かる。

修理をしてくれている業者さんに話を聞きに行くと、「弁護士さんに入ってもらったほうが良いよ」とアドバイスされた。
田舎に住んでいては弁護士さんに知り合いはいない、妻と2人で無断欠勤のお詫びに息子の働いている会社を訪れると、息子の上司からも業者さんと同じことを言われた。
弁護士に頼めばお金が掛かるため、息子の口から弁護士という言葉は出ない、親子で頭を抱えていると、息子がお世話になっている上司から知り合いの弁護士さんを紹介された。
夜中にもかかわらず、私達がいるビジネスホテルに弁護士さんは来てくれた。
車をぶつけた状況、ぶつけた相手、支払ったお金などを話すと、弁護士さんは「あとは私のほうでやっておきますから」、と言われた私達親子は3人とも口には出さなっかたが「えっ!たったそれだけ」と思った。
別れる時に弁護士から言われたのは、「もし相手方から連絡があっても無視して下さい」、と言われても気の弱い私達親子3人は「無視することなんて出来るかな」と思った。

弁護士さんのほうから相手方に連絡をしてくれたのか、息子の元に掛かっていた電話は全くなくなった、息子の勤め先にも掛かっていた電話もそれ以来無くなった、息子が借りているアパートのほうにも相手方は尋ねて来なくなった。
そのことを弁護士さんに報告すると、「相手方は連絡してきたら捕まることを知ってるからですよ」、頼もしいパット見、大人しそうに見える弁護士さんなのに。

後に息子がぶつけた相手方の車の傷を写真で見せてもらったが、写真では良く分からない程度のかすり傷だった。
たかが、かすり傷のために息子が支払った代償はあまりにも大きかったが、支払ったお金は後に相手方から返金されました。
上司の知り合いの弁護士さんであったため、弁護士さんのほうから上司に話が行ったことで息子は復職することが出来、現在も真面目に働いています。”